北星社
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オナメだったらよかったね
オナメだったらよかったね
B5判 ソフトカバー 132頁
[本体価格1500円+税]
ISBN978-4-939145-13-1

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本書は、七十年以上にわたり但馬牛を見守り続けてきた元畜産技師の回想・随想録であると同時に、歴代原種牛約六十頭分の審査結果や間接検定肉成績を収録した資料でもあります。

話の舞台は、兵庫県美方郡。神戸牛や松阪牛等のブランド牛の素牛として、さらに種雄牛は全国の黒毛和牛の改良に大きく貢献した但馬牛のふるさとです。

若き日のエピソードをはじめ、良牛の見分け方、但馬牛の歴史や特徴など、様々な角度から但馬牛を解説しており、丁寧かつ語りかけるようにつづられた言葉から、但馬牛への並々ならぬ深い愛情、そして長年培ってきた独自の和牛観が読み取れます。

繰り返し読むほどに但馬牛が愛おしくなる一冊です。

 

目 次

但馬牛と私
[牛を友とした、七十年間の回想]
三牛姿
[写真で見る但馬牛の三原種]
偉大なる原種牛たち
[血統および黒毛和種審査結果]
美味さを求めて
[原種牛と、その間接検定技肉成績]

 

著 者 略 歴

松村 義男

昭和2年6月30日 兎塚村(現香美町村岡区)森脇に生まれる
昭和20年3月 兵庫県立農学校獣医畜産科卒業
昭和20年4月 兵庫県立種畜場但馬分場助手
昭和20年8月 兵庫県農業会美方支部技手
昭和23年8月 兵庫県美方郡畜産農協連合会技師
昭和57年4月 兵庫県美方郡畜産農協連合会参事
昭和62年6月 兵庫県美方郡畜産農協連合会定年退職

 

書 評

2008年6月11日 日本海新聞より
豊富な資料まとめ出版

魅せられ、見守って70年――
但馬牛への愛情いっぱい

元美方郡畜産農協連参事 松村さん(村岡)

 畜産農家に生まれ、七十年以上にわたり但馬牛を見守った元美方郡畜産農協連合会参事、松村義男さん(八〇)=香美町村岡区入江=が今春、但馬牛の豊富な資料や写真、随想などを網羅した本「オナメだったら良かったね」を出版した。但馬牛への深い愛情や独自の和牛観をつづり、貴重な但馬牛の資料にもなっている。

 松村さんは幼いころから但馬牛に接してきたほか一九四五年、県種畜場但馬分場助手を皮切りに四十年以上にわたり、獣医として美方郡内の多くの名牛をみてきた。分散していた但馬牛の資料を、一つにまとめて残しておきたいと出版。手持ちの資料のほか、全国和牛登録協会(京都市)の写真協力などを受けた。

 随想の中で松村さんは、冬季の夜間や早朝の出産往診に汗だくで駆け付けた思い出を語っている。「親牛だけでも助けて」の願いを受け、必死で出産を助ける。無事出産後は「親子ともに元気だし、オナメ(雌牛)だったら良かったねー」。雄は雌の半値ほどだった当時の畜主の気持ちを素直に表現した言葉を表題とした。

 書中には、名牛・田尻号をはじめ、熱土井、田福土井など偉大な歴代原種牛の血統や審査結果を掲載。脂肪交雑や皮下脂肪の厚さ、等級など原種牛の枝肉のデータも肉の断面写真とともに紹介している。

 松村さんは「こべ(子牛)の瞳に魅せられて七十年あまり。時代の要求で肉も質より量が重んじられ、飼育形態も様変わりしている。温故知新―と、但馬牛にかかわる次世代の方々の貴重な資料として活用してもらえたら」と話している。表紙に名牛田尻号を配した「オナメだったら良かったね」はB5判、百三十二ページで千五百七十五円。香美町村岡区村岡の小谷書店で扱っているほか、全国の書店を通じて求められる。



「肉牛ジャーナル」11月号 「新刊紹介」p69掲載 
肉牛新報社 2008年11月1日発行(第21巻第11号)より

 オナメとは兵庫県美方郡の方言で雌のことを指す。筆者の松村義男氏は、昭和2年に兵庫県美方郡兎塚村(現香美町村岡区)森脇に生まれ、生家で牛を飼っていたこともあり但馬牛と共に幼少時代を過ごす。その後、昭和20年に兵庫県種畜場但馬分場へ就職し、以来70年以上にわたって但馬牛を見続けてきた。昭和の初めは雌の売値が雄の2倍したそうで、本書のタイトルは当時の農家の気持からとったものである。

 本書は筆者の幼少の頃の牛との思い出や昭和初期の美方郡の牛にまつわる風習に始まり、但馬牛の見方や蔓牛の解説などについても解りやすく書かれている。また筆者は写真家としても知られ、これまで美方郡を担ってきた田尻や安美土井、谷福土井、照長土井といった種雄牛や、きくつる、みつふくといった雌牛などの写真がふんだんに掲載されている。また、あつた蔓・ふき蔓そしてその系統間交配によって造成された雄牛・雌牛が写真入りで解説されており、蔓牛による外貌上の違いが一目で解るように紹介されている。

 全国の和牛改良に多大な貢献をしてきた但馬牛。本書はその改良の歴史がわかる貴重な1冊である。