北星社
〒668-0061 兵庫県豊岡市上佐野1620
TEL0796-22-4141 FAX0796-29-2246
ありがとう!サンキュウ牧場の仲間たち
ありがとう!サンキュウ牧場の仲間たち
2012年3月24日発行
A5判 ソフトカバー 160頁
[本体価格1300円+税]
ISBN978-4-939145-32‐2
書店様、注文書をダウンロードしてご利用ください 注文書(PDF)ダウンロード

紙書籍版 ネットストアはこちら
アマゾンでこの本を探す

電子書籍版 アマゾンでこの本を探す

兵庫県三田市の外れにあるサンキュウ牧場。
そこで生活している動物の多くは、かつて人間の都合で捨てられた元ペットや家畜たちだった。

兵庫県三田市の外れにあるサンキュウ牧場。そこは普通の牧場ではない。暮らしている動物の多くは、ウマ・ロバ・ヒツジ・イグアナ・サル・リクガメなどかつて人間の都合で捨てられた元ペットや家畜たち。なんとそこは動物たちの駆け込み寺なのだ。そんな動物たちが牧場を訪れたお客様を相手に大活躍、そして時には異種の動物が一緒に交じり意外な行動を。
本書にはさまざまな動物たちとの出会いや別れ、牧場での暮らしを写真満載で紹介しており、「ペットを飼ったら最後まで責任を持って飼ってほしい」という著者の願いが込められている。また、飼育の原点は「愛情を持った観察」なのだとわかる。

プロフィール

兵庫県三田市に生まれ、子供の頃より自然、特に野鳥や獣類の生態に興味をもつ。
1972年農業近代化の一環として施行された構造改善圃場整備事業で失われた自然を復活させ、自然の楽しさを伝えようと「さんだ自然教室」を始める。その後、警察や保健所で保護された元ペットや処分寸前の動物を引き取り、「駆け込み寺」として「サンキュウ牧場」を1990年に開設。子供たちに、自然への感動や生き物の命の大切さを教えている。

* 環境省自然公園指導員
* 兵庫県立やしろの森公園協会副理事長
* 兵庫県自然保護協会理事
* 日本自然保護協会自然観察指導員
* ヒトと動物の関係学会会員
* 大学非常勤講師
* 株式会社日出坂 代表取締役

この本を読む皆さまへ

林 良博
東京大学名誉教授
繹カ山階鳥類研究所所長
兵庫県森林動物研究センター所長

平成7年1月17日、兵庫県南部を襲った大震災は6000名以上の死者をだすという恐ろしい被害をもたらしました。この大震災で人間と同じように被災したイヌやネコたちの中には、兵庫県南部地震動物救援本部に保護され、元の飼い主に返還されるか、または新しい飼い主に引き取ってもらうことができた幸せな動物たちがおり、その顛末は今西乃子著の「すべての犬に里親を!阪神・淡路大震災1556 頭の物語」(講談社2008)に詳しく紹介されています。

それまでの日本には、「人間が震災にあって困っているのに、ペットを救援するのは不謹慎だ」という雰囲気がありましたが、日本各地から駆けつけたボランティアの人たちと共に元気いっぱいに活動している救援本部を見た瞬間、私は日本のペットと人の関係が変わる大きな節目に立ち会っていることを実感しました。

しかしイヌやネコだけがペットではありません。アライグマ・ウサギ・モルモット・ハムスターなどの哺乳類、クジャク・ホロホロチョウ・キンケイなどの鳥類、イグアナ・ヘビなどの爬虫類、イモリなどの両生類をペットとして飼育していた被災者たちが駆け込んだ先が、この本の著者である谷口誠司さんのサンキュウ牧場だったのです。

「イヌやネコを救援するというだけでも画期的なことなのに、イグアナやヘビまでも預かって世話をした人がいた」という事実を2006年に知った時、1995年から人と動物の関係学会を設立して活動していた私は、自分の不明を恥じました。

谷口さんとはどんな人なのか? そんな好奇心からお付き合いを始め、いまやサンキュウ牧場の常連のひとりになった私が、谷口さんについて言えること、それは動物が好きであることはもちろん、自然そのものが好きな人であることです。多くの学者のように、理屈で「自然を保全しなければならない」と考える人ではなく、心から自然が好きだからこそ、自然教室を開いて子供たちに自然への感謝や生き物の命の大切さを教えることができる人なのです。

この本には、谷口さんと奥さんの二人が世話をした動物たちのエピソードが満載されています。その中には動物行動学から見ても興味深い観察がたくさんありますが、この本を読む皆さんには、いろんな動物たちと谷口さん夫妻の心温まる交流を楽しみながら読んでいただきたいと思います。

最後に、いくら谷口さんが一人で頑張っても、これだけの活動を展開することは不可能だったと思います。奥さんの協力があったからこそ、日本版「シートン動物記」を完成させることができたのだということを、サンキュウ牧場でお世話になっている常連のひとりとして、証言いたします。                  

(本書 2~3頁より)